1965年11月27日に公開された第1作『大怪獣ガメラ』を皮切りに、昭和と平成を股にかけて12本の長編映画が公開されてきた「ガメラ」。その生誕55周年のメモリアルイヤーを祝し「ガメラプロジェクト」が始動。「平成ガメラ3部作」の4K HDR UHDの発売と、『ガメラ 大怪獣空中決戦』(95)のドルビーシネマ上映が決定した。

【写真を見る】最新のHDR技術で、“誰も観たことがないガメラ”が誕生!特典には貴重なオーディオコメンタリーも

金子修介監督、樋口真嗣特技監督のもとで制作された「平成ガメラ3部作」は、従来の怪獣映画とは一線を画す緻密な設定とリアリティ、神話的なアプローチなどで、その後の特撮作品に多大な影響を与えた作品としていまなお語り継がれる怪獣映画の金字塔的シリーズ。そんな「平成ガメラ3部作」に、このたびシリーズ1、2作目の木所寛撮影監督、3作目の村川聡撮影監督の監修のもとで新たにHDRグレーディングが敢行された。

そうして豊潤な黒の階調、ハイダイナミックレンジの高い輝度を活かしたガメラの火球など、35ミリオリジナルネガフィルムの表現領域の外側にあった情報が余すところなく引き出されたHDR版が誕生。誰も観たことがないガメラが、装いも新たによみがえることに。3部作それぞれが単品で発売される「平成ガメラ 4K デジタル修復 Ultra HD Blu-ra【HDR版】」の特典には、プロデューサー陣やスーツアクターほか作品関係者によるオーディオコメンタリーに加え、約20ページの製作発表資料の封入が予定となっている。

さらに、UHD版の発売を記念して「平成ガメラ3部作」の第1作『ガメラ 大怪獣空中決戦』が、ガメラの55回目の誕生日である11月27日(金)から全国7館の「Dolby Cinema(ドルビーシネマ)」にて期間限定上映。最先端の映像技術と立体音響技術が融合した、次世代のシアターシステムを採用したドルビーシネマで、これまでにないほどガメラの世界に没頭できること間違いなしだ。

ほかにも11月27日から12月26日(土)(水曜及びイベント開催日を除く日曜定休)には、「特撮のDNA」協力のもとDUB GALLERY AKIHABARAで展示&物販イベントが開催。「平成ガメラ3部作」の貴重な資料や、今後発売予定の数量限定プレミアム商品がいちはやく展示される予定となっている。ガメラを愛してやまないファンの人たちはもちろんのこと、まだその魅力に出会っていない人も、さまざまな方面から展開する「ガメラプロジェクト」を通して、日本を代表する大怪獣の虜になってほしい!

<コメント>

金子修介(監督)

「大映ガメラ生誕55周年、我が平成ガメラ生誕25周年という節目に、こうして新たな映像として復活してもらえるガメラも、我々関係者も幸福です。皆様に感謝いたします。時代は目まぐるしく変わり、更なる新しいガメラも、いつかは眠りから覚める時が来るでしょう…いや、私が覚まさなければいけないのかなあ…ずっと同じようなことを言ってますが、いつでもOKですから」

●樋口真嗣(特技監督)

「25年前。四半世紀も前だ。思い返してもやりたい放題を自由に好きなだけぶちまけてきた。なにを根拠に、どういうつもりであんな事をやってきたのか。いまの価値基準であれば理解できないようなバイアスが世の中全体に横溢していたのではないだろうか。そっちの方が安心できる。つい最近のことと思いながらも、いまの自分にあの時と同じような狼藉が出来るだろうか。いまだったらここまでの無茶はしていないような気がする。いわゆるところの若さゆえの過ちなのではないかと思う。

正直、穴があったら入りたい。穴があったら埋めてやりたい。そんな自分を許し赦し野放しにしてくれた当時大映の土川勉プロデューサー。脚本の伊藤和典さん。何百という大勢に及ぶスタッフ、キャストの皆さん。なによりもそんな私を赦し遊ばせてくれた監督の金子修介さん…!大人げない言い方ですが、マジ感謝です。みなさんがいなければ今の私は存在しませんでした。本当に、ありがとうございました」

文/久保田 和馬

1965年の第1作公開から55年!「ガメラプロジェクト」が始動/[c]KADOKAWA